変わらない想い
RYOTA ITO
  • NAME:
    伊藤 亮太
  • JOINED YEAR:
    2005年入社
  • DEPARTMENT:
    グローバルセールス
  • ※内容は取材当時のものです
変わらない想い
RYOTA ITO
  • NAME:
    伊藤 亮太
  • JOINED YEAR:
    2005年入社
  • DEPARTMENT:
    グローバルセールス
  • ※内容は取材当時のものです

多様な経験で成長できる環境へ

『楽しいことが好きで、一つのところで同じような仕事を続けることに不向き。』これは就活生の私が行った自己分析の結果だった。よって、就職活動を始めた時は、多様なビジネスに関われそうな商社業界を志望していた。しかし、よく話を聞いていくと、意外と所属部署ごとに決まった業界や商品の取り扱いをしていて、できることの幅が限定されている印象に変わっていった。もっと色々な取引ができる仕事を通じて、自分を成長させたい。そんな想いで探した時に出会ったのが、国際物流を手がけるフォワーダーという役割だった。

あらゆる業界のさまざまな貨物を取り扱うチャンスのある仕事。初めて聞いた業界だったが、自分のやりたいことはこれだったと気づかされた。数あるフォワーダーの中から1社を選ぶのは難しくはなかった。なぜなら関西出身の私にとって、阪急阪神東宝グループは慣れ親しんだ存在で、好印象を抱いていたから。また、業界順位で上位にランクインしているにもかかわらず、まだトップに到達していないことは、自分がこの会社を大きくしていくという挑戦心に火をつけた。選考試験を受ける他の候補者や、面接で会う先輩社員と話すうちに、ますますこの人たちと一緒に働きたいという意志が固まっていった。そうして入社を決め、京都支店で働き始めた私を待っていたのは、営業担当として忙しくも充実した毎日だった。

予期せず早く叶えられた夢

入社時に掲げた夢は「新聞に載る仕事をする」ことだった。報道されるほど影響力が大きい貨物の輸送に携わりたいと考えていた。その夢が叶えられるのはキャリアを重ねてからだと考えていたが、その瞬間は意外にも早く訪れた。入社4年目の頃、日本の大手電子部品メーカーの社会貢献事業の一端を担うことになる。内容はアフリカや西アジアにある学校に、太陽光発電によって使用可能なラジオやテレビ、照明などの機器を寄付するというもの。その件は当該国の大統領と、メーカーの社長が固く握手をしている写真とともに報じられていた。自分の携わった仕事が新聞に取り上げられ、念願の夢が叶ったことが嬉しくて仕方がなかった。しかし、輸送の手配は一筋縄ではいかなかった。

まずは船会社の選定。当時はアフリカ向けの輸送をまだそこまで拡大できておらず、知見があまりない中で慎重に進めていく必要があった。続いて仕向地である国々それぞれの輸入規則についても、現地の代理店に確認を取り、必要書類の用意を行う。現場にも何度も足を運び、貨物に最適なトラックや梱包方法について一つひとつ確認していった。難しい調整や細かな確認が多かったが、影響力の大きい仕事ができている実感は原動力になった。その結果、大きな遅延や貨物のダメージなく、無事に納品が完了。正直に言えば、会社として大きな利益に繋がる案件ではなかったが、輸送品質をお客様にアピールできる良い機会となった。加えて、貨物の輸送を通じて、世界中の人々の生活を豊かにする一助となれたことに達成感を感じた。

価値あるサービスで生まれる喜び

中学以前の私は引っ込み思案なタイプだった。内気な自分を変えたくて、高校時代には演劇を始めた。すると、舞台上で役を演じている時だけは不思議と感情を表に出せるように。そして、いつの間にか普段から緊張せずに人と関われるようになっていた。それは、自分の表現したものを肯定的に捉えてくれる人の存在に励まされたからだと思う。演劇では演者が面白いと思ったことや、訴えたいメッセージを観客に伝える。そして、観客は何かしらのリアクションで演者側に応える。これは営業の醍醐味とも通じるところがある。お客様にとって価値があると自らが考えるサービスを提供し、満足いただければ大きなやりがいに繋がる。一方で、ネガティブな反応が返ってきたとしても、改善して再び挑戦する。そこで認められればなお一層喜ばしいものである。フォワーダーの仕事における特徴の一つは、お客様との距離が近く、提案に対するフィードバックを直接受けられること。自分が楽しむだけではなく、周囲からの反応も大切にしていた私にとって、お客様からいただくご要望や感謝の言葉は仕事のやりがいとなっていた。

そんな中、入社6年目に海外駐在が決まる。これまで国内で身につけた知識を活かし、さらなるステップアップができることを夢に見て、ベトナムへ向かった。

異なる価値観に翻弄されて

海外駐在に大きな期待を抱いていたものの、すぐに価値観の違いから引き起こされるトラブルに翻弄された。それはホーチミン支店で、航空会社や船会社と直接交渉をしつつ、ベトナムに拠点を持つ多様な企業への営業を行っていた頃のこと。当時のベトナムの通関は、規則に対して職員ごとに細かな見解が異なり、私たちの業務に支障をきたしていた。日本の通関のように一律に決められた対応を取るのではなく、担当職員が変わると必要な書類や手続きが増えることや、それに伴って納期が後ろ倒しになるような場面があった。地道な営業活動で獲得したものの、納期に間に合わなかった案件もある。自分一人ではどうすることもできない状況に、もどかしさを感じた。なぜそのような状況になっているのか。それを解明するため、港湾や空港、工業団地の税関を巡り、実態を徹底的に調査することに。各所の担当職員が、どういった手続きや書類をお客様、そしてフォワーダーに求めているのかを理由とともにとことん研究した。そうして、遅延が起きる背景を理解することで、先回りして遅れが出ないように対処できるようになった。この経験は日本の常識は他国で通用しないということを私に教えてくれた。

その後、シンガポールへの配属が決まる。同国は世界有数のハブ港として有名だった。世界中から集まる貨物の輸出や輸入の手配、自社の物流倉庫管理など、潤沢な設備を活用しながら新しいビジネスを展開できる刺激的な環境に没頭した。

お客様勝たせるために

現在はグローバルセールス部で世界中のあらゆる業界の企業に対して営業を行っている。既存のお客様に加えてこれまで取引実績のない企業にもアプローチをかけて、市場のトレンドやニーズを聞き取っていく。そのため、潜在顧客は無数だ。とてつもなく広いマーケットで武器になるのは、12年弱の海外経験で得た幅広い人脈や情報。輸送に影響を及ぼしかねない各国の情勢や新しい輸入規則についてなど、これまで身につけた知識はもちろん、駐在員やナショナルスタッフに直接聞ける強みも活かしている。今後も国の垣根を超えて世界規模のビジネスを展開できるよう、自らを成長させていきたい。

このように経験を積んでいく中で、フォワーダーという役割について気がついたことがある。それは我々の仕事は無事に貨物を輸送するだけにとどまらず、お客様を業界のトップに押し上げる力を秘めているということ。例えば、有事の際にあるメーカーの製品を、競合他社よりも早く市場に届ければ、一気に独占できる可能性がある。実際にそうした事例も耳にしてきた。だからこそ、自らの使命は、お客様を“勝たせる”ことにあるのではないかと考えるようになった。

就職活動をしていた頃の自分は、「楽しみながら色々な経験をしたい」と願っていた。これまでのキャリアを振り返って考えると、それは叶えられているように思う。自分自身にとって面白い仕事ができた、と。担当者の要望に応えて喜んでもらえるたびに、仕事が楽しくなった。大変な時期もあったし、決して楽な道のりばかりではなかった。しかし、乗り越えれば新しい知識と経験を得て、大きいビジネスに関わることができた。今は、物流を通じてお客様の会社を発展させ、その業界自体に対しても大きな利益をもたらすことができることを自覚している。これからも仕事を楽しむ気持ちは忘れたくない。そうした気持ちを持つことが、お客様に満足いただけるサービスの提供に繋がると信じているから。

MOTIVATION CHART
モチベーション(点)
100
90
80
70
60
50
40
30
20
10
2004
2006
2008
2010
2012
2014
2016
2018
2020
2022
(年)
  • 2005年4月
    22歳
    80点
    社·京都支店配属

    京都支店に初期配属され、営業として複数のお客様を担当することに。社会人としての立ち振る舞いや国際物流業務に関するノウハウを吸収する日々を過ごす。

  • 2006年2月
    23歳
    85点
    京都支店·顧客内駐在業務

    顧客内駐在にて、海上と航空の輸出・輸入すべての物流を提案し、手配する業務に従事。一年目から色々な業務を任せてもらえる社風に感謝し、仕事に邁進していた。

  • 2009年3月
    26歳
    60点
    京都支店·顧客内駐在業務

    一社限定の専任営業では知識の偏りがあり、複数社を担当する先輩や同期、後輩との経験差を痛感する。海外も視野に入れ、新たな環境で仕事がしたいと思い始める。

  • 2010年8月
    27歳
    90点
    ベトナム現地法人ホーチミン支店配属

    入社6年目でベトナムに赴任。日本とは全く異なる途上国での生活や物流の難しさに苦労する。一方で、航空会社や船会社、お客様のTOPと直接交渉出来るやり甲斐を感じる。

  • 2015年11月
    33歳
    95点
    シンガポール現地法人配属

    当社世界最大規模の自社倉庫竣工のタイミングで、シンガポールに赴任。航空海上輸送に加えて倉庫営業にも着手。ゼロから始めるビジネスに多く関与でき、キャリアアップを実感。

  • 2020年8月
    37歳
    70点
    シンガポール現地法人

    コロナに対する国の政策で外出もままならない中、物流が大混乱。ASEAN域内の中心であるシンガポールでも物流遅延や運賃高騰など予測困難な事態が多発し、辛い時期が続く。

  • 2022年5月
    39歳
    95点
    グローバルセールス部配属

    12年弱の海外駐在を経て帰国。ASEANでの経験を駆使して世界中を繋げる営業活動を開始する。お客様に新たな物流を提案するやり甲斐を楽しんでいる。