健康経営
2024年3月11日、経済産業省と日本健康会議が共同で選定する「健康経営優良法人2024(大規模法人部門)」に4年連続で認定されました。
当社では、健康経営を推進するために「阪急阪神エクスプレス 健康宣言」を次のとおり制定しています。
阪急阪神エクスプレス 健康宣言
阪急阪神エクスプレスでは、一人ひとりが自らの心身の健康に高い意識を持ち、職場の仲間や家族とともに、健康保持と増進に取り組みます。
私たちが健康で、生き活きと輝くことは、従業員、お客様、お取引先等のあらゆる個を尊重し、物流事業を通じて、将来にわたり世界に貢献し続けるという、私たちの願いをかなえるための基盤となります。
ここに阪急阪神エクスプレスは、「阪急阪神Wellnessチャレンジ」をスローガンに、一人ひとりの健康づくりを積極的に支援するとともに、元気に働くことができる職場環境づくりに努めることを宣言します。
2018年7月
株式会社阪急阪神エクスプレス
代表取締役社長 健康経営推進責任者
谷村 和宏
この健康宣言は、「健康経営」という視点から、従業員やその家族の健康に対する認識を明確にすることにより、一人ひとりの健康意識の向上と働きやすい職場の実現を推進するために制定したものです。
今後は、この「阪急阪神エクスプレス 健康宣言」に基づき、従業員やその家族の健康増進のために、健康経営に取り組んでいきます。
「阪急阪神 Wellnessチャレンジ」の重点施策方針
健康経営の推進体制
当社は、総務人事部担当役員を統括責任者・総務人事部を健康経営担当部署とし、健康経営を推進しています。
各事業所の衛生委員会、産業医、阪急阪神健康保険組合、労働組合と連携し、施策の計画、実行、見直しを行うことで健康経営の継続的改善を図っています。各事業所では、健康経営推進担当者を任命し、健康経営の施策の推進を担っています。
健康経営担当部署で検討し、実施する事項は経営会議等において経営層へ報告しています。
健康経営で解決したい経営上の課題
~健康経営で目指すもの~
健康宣言に基づき、健康経営を推し進めることによって、事業にたずさわる従業員一人ひとりが多様な個性や能力を発揮し、いきいきと働くことのできる活力ある組織を実現していきます。
従業員とその家族の心身の健康を実現することによって、アブセンティーイズム及びプレゼンティーイズムの低減と、従業員満足度の向上を目指し、それにより、従業員のパフォーマンス向上、ひいては中長期的な企業価値の向上につなげていきます。
当社の健康課題と目標数値
背景・具体的取り組み
1.受動喫煙防止・喫煙率の低減について
喫煙と受動喫煙は、個人の嗜好にとどまらない健康問題であり、従来からも肺がんをはじめ、様々ながんになる危険性を高めるといわれてきました。しかしながら、取組当初の当社の喫煙率は、全国の平均喫煙率や、また阪急阪神健康保険組合の喫煙率に比べても、残念ながら非常に高いのが実情でした。
当社では、喫煙率の低減に向けて、2020年度から本格的な取り組みを始めました。具体的には、就業時間内を完全禁煙とし、健康保健組合で実施するオンライン禁煙外来受診の推奨を行ってきました。2022年度には、禁煙や受動喫煙に関する教育、喫煙対策についての意見交換会、社内アンケートを実施、2023年度からは毎月22日をスワンスワンDAYに制定、8月1日を禁煙DAYに設定するなど、禁煙に関する意識向上に向けた取り組みを現在も強化しています。その結果、直近2022年度の喫煙率は23.8%となり約8.5%低減し、これらの取り組みの成果が少しずつ表れています。
今後は、アンケート結果も活かして、施策内容を重ねて検討しつつ、受動喫煙防止と更なる喫煙率の低減を目指します。
2.婦人科検診受診率の向上について
当社には女性社員が全体で約35%、20~40代では約50%在籍しています。早期発見により治癒が期待できる乳がん・子宮頸がんの検診受診率を向上させることは、社員の健康増進のためには非常に重要であると考えています。
一方で、婦人科検診の受診率は決して高いとは言えず、社内アンケートの結果から婦人科検診を受診しやすい環境を整えるとともに、女性の健康に関する情報提供や研修機会を作ることで、社員の意識を変えていく必要があることが分かりました。
そこで2021年度より、全従業員に対してe-learningや動画教材による教育を行い、女性の健康に対する理解度の向上に努めてまいりました。また、婦人科検診助成制度や、婦人科検診のための勤務配慮、バス健診の実施については、制度があるものの認知度が低く、利用しづらいという課題があったため、社内アンケート等を通じて周知を図ってまいりました。
しかしながら2022年度の受診率は、子宮頸がん検診受診率36%、乳がん検診受診率36%と、2021年度の受診率とほぼ横ばいとなり(2021年度は子宮頸がん検診受診率35%、乳がん検診受診率37%)、分析したところ、特に20~30代女性従業員における社内制度の認知度やヘルスリテラシーの低さが受診率の低迷につながっていることが判明しました。
そこで、今年7月に20~30代女性従業員を対象とした「婦人科検診制度についてのWEBセミナー」を開催し、あらためて婦人科検診や社内制度の周知を図りました。こちらは、録画配信や社内掲示版への資料掲載もしました。また、保健師による相談窓口を設置し、心身の不調を感じる際に気軽に相談できる体制を整えました。今後も、女性従業員が自身の健康課題に着目することで、長く健康に働くことができる環境をめざし、社内周知や検診機会の充実、補助対象の拡大など計画しています。
その他健康経営に関連する各指標について
重点施策以外でも、健康経営に関する各指標を確認し、数値の改善を目指しています。
項目 | 年度 | ||
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2020 | 2021 | 2022 | |
血圧リスク者率 | 0.5% | 0.3% | 0.7% |
運動習慣比率 | 22.4% | 20.4% | 22.6% |
定期健康診断受診率 | 99.8% | 100% | 100% |
特定保健指導受診率 | 41.9% | 38.9% | 29.1% |
ストレスチェック受検率 | 73.0% | 81.5% | 85.4% |
ストレスチェック健康リスク値 | 97 | 102 | 100 |
平均年次有給休暇取得日数 | 8.6日 | 10.1日 | 10.3日 |
平均時間外時間 ※1 | 24時間 | 26時間 | 27時間 |
平均勤続年数 | 16.6年 | 18.6年 ※2 | 15.9年 |
従業員のヘルスリテラシーの状況 (研修の受講率) ※3 |
- | 81.0% | 70% |
ワークエンゲージメント | - | - | 3.53 ※4 |
労働災害件数 | - | - | 1件 ※5 |
死亡災害件数 | - | - | 0件 |
※1 社員のみの値
※2 集計方法を変更
※3 女性特有の健康課題に関する研修
※4 自社で独自に定めた従業員調査内に、ワークエンゲージメントを組み入れて測定。測定人数:1,024 人、回答率:99% 。いずれも5点満点
※5 業務災害1件
具体的には、以下の施策を行ってまいります。
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定期健康診断の就業判定と実施後の指導
国内に点在する全事業所の従業員に対し、定期健康診断後の産業医の就労判定を行っています。 また定期健康診断の就労判定・再診のご案内等について、従業員の理解促進のため社内掲示板にて案内しています。
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歩活の推進(健康保険組合主催のオンラインウォーキングイベント)
運動習慣定着に向け、健康保険組合が主催しているウォーキングイベント「みんなで歩活(あるかつ)」への参加を会社として奨励し、 優勝者には表彰式の開催と景品の授与を行っています。2023年度も春にイベントを開催し、参加した従業員へアンケートを実施したところ、88%が「楽しんでウォーキングができた」と回答しています。
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精神科医と産業医の選任
精神科の専門医と契約し、長期欠勤者、メンタルダウン、復帰して間もない従業員等に対し、幅広く継続的に面談を実施しています。また、人事課との連携を密にとり、様々な職場の相談に対応をしています。
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研修(メンタルヘルス/健康経営)の実施
従業員一人一人が心身の健康状態に関心をもっていただけるよう、毎月全従業員に対し動画教材によるヘルスリテラシー教育を実施しています。動画教材は5~15分程度で視聴でき、視聴後は各動画の理解度を確認しています。
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健康に配慮した食事の提供
生活習慣の改善について、当社では「スマートミール(弁当)」を一部の事務所で提供しています。「スマートミール」とは、厚生労働省の掲げる「生活習慣病予防その他の健康増進を目的として提供する食事の目安」を基本とした食事を指し、一食の中で主食・主菜・副菜がそろっている健康な食事・食環境に関する認証を取得しているお弁当を提供しています。
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保健師により定期健康診断事後面談/メンタル・健康についての各種相談対応
2022年より保健師を導入し、新入社員や経験者採用に対して、メンタルフォロー面談を実施しています。
そのほかにも定期健康診断受診後の特定保健指導の受診勧奨について、保健師より対象者へ連絡を行っています。
そのほかにも下記のような施策を実施しています。
- 産業カウンセラーとの提携
- 特定保健指導の実施、推進
- 感染症予防対策の実施
- 衛生委員会での健康経営に関する各施策の議論と推進
- 社内掲示版を利用した健康情報の提供
その他
サントリーウエルネス株式会社様より、当社の健康経営の取り組みについて2022年12月19日に取材を受けました。
https://www.suntory-kenko.com/company/interview/0178.html